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部品の買い方ガイド

FTCロボットの部品調達は、「国内で買える汎用品」と「海外から輸入が必須な特定部品」に分け、コストと納期の最適化を図ることが重要です。

1. 機械部品の調達先

国内で調達するもの(汎用品)

アルミフレーム、シャフト、汎用的なギア、ネジなどは、国内の高い品質と短い納期を活かし、日本で調達することを推奨します。

ミスミ(MISUMI)

ミスミは、日本で機械部品を調達する際の第一選択肢です。強みと利用シーン: 高精度の部品が1個から購入可能で、特にロボットの骨格となるアルミフレーム、標準的なシャフト、ベアリング、取り付け部品など、規格化された部品を調達するのに最適です。最短即日で手配できるスピードは、ビルディングシーズンにおいて大きな武器となります。

  • 注文時の注意点: ミスミは法人または個人事業主のみ購入可能です。学生チーム単体で発注できない場合、学校のアカウントや、スポンサーである企業のアカウントを経由して発注する必要があります。

モノタロウ(Monotaro)

モノタロウは、ミスミと並んで豊富な品揃えを持つ販売業者ですが、大きな違いは個人でも自由に購入できる点です。

  • 利用シーン: ミスミのアカウントが使えないチームや、部費での少額発注、工具や消耗品(結束バンド、グリスなど)を調達する際に非常に便利です。

ホームセンター

ホームセンターは、緊急時迅速なプロトタイピングにおいて、即効性のある調達先です。

  • 利用シーン: アルミ角パイプ、L字アングル、汎用のネジ、試作用の樹脂板などを、その日のうちに手に入れたい場合に最適です。
  • 部品の精度について: ホームセンターで売られている汎用部品は、特定の規格に依存しない簡単な部品やプロトタイピングにおいては十分に実用に耐えます。ただし、REVやgoBILDAの厳密な穴ピッチに合わせる必要がある部品や、高い精度が要求される伝達機構のコア部品については、ミスミなどから購入するのが確実です。

海外から輸入が必須なもの(FTC特有部品)

FTCの公式ルールで定められているモーター制御システム(Control Hub/Driver Hub)指定のセンサーなどは、必ず海外の指定サプライヤーから輸入しなければなりません。

  • REV Robotics: FTCの頭脳である Control Hub / Driver Hub のメーカーであり、制御システムの中核を担います。 その他にも電気関係の部品やアルミフレームのようなものも販売しています。
  • goBILDA: 頑丈で組み立てやすいFTC専用の構造部品(Uチャネル)や高性能な Yellow Jacket モータを提供しています。
  • AndyMark: FTCのゲームピースを販売しています。その他にもモータやホイールなども売っています。

代理店(Redigiform)の活用

海外サプライヤーから直接購入すると、高額な国際送料、複雑な関税、長い納期(通常数週間〜1ヶ月以上)という問題が発生します。

  • 推奨事項: 日本のチームの多くが利用する代理店 Redigiform を活用することを強く推奨します。
    • メリット: 複数のチームの注文をまとめ、送料を節約できます。煩雑な輸入手続きや関税処理を代行してくれるため、学生チームの負担が激減します。

2. 電子部品の調達先

モータードライバーなどの指定部品はREVやgoBILDAで購入する必要がありますが、汎用的なLED、スイッチ、コネクタ、配線材などは日本国内で調達したほうが経済的です。

国内で調達するもの(汎用電子部品)

秋月電子通商

国内最安値級で汎用電子部品を購入できます。コストを抑えたいチームはまずここで探します。

  • 購入時のヒント: 秋葉原の店舗は混雑するため、Webサイトで部品の在庫と棚の位置を確認し、買い物リストを作成してから行くのが賢明です。通販も利用可能です。

千石電商

秋月電子より価格はやや高めですが、品揃えが非常に豊富なのが特徴です。

  • 利用シーン: 秋月電子にはない特殊なコネクタやケーブル、工具、そしてマニアックなネジを探す場合に重宝します。

海外から輸入が必須なもの

DigiKey Electronics

アメリカに拠点を置く世界最大級の電子部品業者です。非常に膨大な種類の部品が揃いますが、少量だと送料が高くつく傾向にあります。特殊なセンサやコネクタを探す最終手段として利用されます。

FRCチームは毎年FIRSTからバウチャー (クーポン) が配布されます。ぜひ活用してください。


3. 発注前のチェックリスト

以下の項目は、発注後のトラブルや時間ロスを防ぐために、必ず確認してください。

  • 為替レートの確認: 海外部品を購入する際は、円安時に発注しないよう、現在の為替相場を必ずチェックしましょう。総額に大きな影響を与えます。
  • 関税・消費税の予期: 個人輸入の場合、注文合計額(送料込)が約16,666円を超えると、後日、輸入消費税や関税が発生する可能性があります。
  • 納期の計画: 海外調達品は、注文から実際の到着まで数週間を見込んで、余裕を持って発注しましょう。